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2022.02.11

幸福の相対評価 #9

河原一久

1965年神奈川県生まれ。
著書に『読む寿司』(文芸春秋)、『スター・ウォーズ論』(NHK出版)、『スター・ウォーズ・レジェンド』(扶桑社)など。
監訳に『ザ・ゴッドファーザー』(ソニーマガジンズ)。
財団法人通信文化協会『通信文化』に食に関するエッセイ「千夜一夜食べ物語」を連載中。
日本ペンクラブ 会員。

バイクに限らず車でのドライブにも共通する楽しみだと思うのが、高速道路のサービスエリアやパーキングエリアだ。
昭和の時代はせいぜい売店レベルの大したことないところが多かったが、現代ではどこも趣向を凝らした演出で、サービスエリア自体が名所扱いされているところさえある。


東名高速下りの海老名サービスエリアは都心を出発した車やバイクの、最初の大きな休憩地点としていつも賑わっている。
ここではメロンパンが名物だそうで、多くの人が列に並んでいるが、個人的にはフードコートのメニューを一つずつクリアしていくことを楽しんでいる。


中央高速下りでは談合坂サービスエリアが同じようなポジションにあるが、そのずっと手前の石川パーキングエリアで八王子のご当地グルメ「八王子ラーメン」を食べるのがけっこう病みつきになっている。
丼を覆い尽くすように散りばめられた刻んだ玉ねぎが妙に嬉しい一品だ。


新東名上りの浜松サービスエリアでは浜松餃子発祥の店「石松餃子」が食べられる。
キャベツを主体とした浜松餃子は小ぶりな大きさのせいもあって、いくらでも食べられるので要注意かもしれない。


そういえば各サービスエリアなどではソフトクリームなど甘いものをつい食べてしまうのだがなぜだろう。
普段、町中では決して食べていそうにないゴツいおじさんたちも美味そうに食べながら鼻の先にクリームをつけたりしているのをよく見かける。


ソフトクリームと言えば、高速道路だけでなく道の駅でもよく頂いてしまう。
伊豆市の道の駅「天城越え」ではワサビが名物で、ワサビ味のソフトクリームも人気だ。
これも毎回、判を押すように欠かさず食べてしまうのだが、丼飯に摺りおろしたてのワサビに醤油を垂らして食べる「ワサビ丼」も素朴で美味しい品だ。